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書籍タイトル:創作脚本集 第二集

創作脚本集 第二集
  • 一般定価

    864円

  • 発行

    日本青年団協議会

  • 目次

    • 昭和52年度 あすにあるもの
    • 昭和53年度 畦道 秀恵号
    • 昭和54年度 人恋モータース紳士録・歓喜編
    • 昭和55年度 心のぬくもり
    • 昭和56年度 翔ぶの翔ばないの私のイカロス

はじめに

演劇活動は人間をきびしくきたえる

演劇と青年団活動のかかわりは大変強いものがある。終戦直後、しろうと芝居は、虚脱状態と娯楽にうえた青年をとらえ、町から村へと疫病のように広がった。本来、芝居をする、演技をするということは、人間の本能的な欲求といってもよいものである。人間としての願いや、要求を何らかの形で表現しようとする行為の一つが演劇であり、演劇は人間の根源的要求として人間性がきびしく問われる場でもある。すなわち、生きることの喜び、悲しみ、苦しみ、楽しみを表現する人間的な行為である。

ほかの青年集団に比して、青年団の演劇活動は活発である。それは、地域における青年の生活集団として、そこでの青年の生活からくる表現が青年団の目的にかない、地域の文化の創造と向上に役立っているからに他ならない。

しかし、青年団の演劇活動が活発なもう一つの理由は、「青年大会」があるからではないだろうか。そのために、一つの行事として、演劇発表会が行われている側面をみのがせない。中味はともかく、芝居としての格好の整えることを優先していないだろうか。そういう「おしばい」を演劇活動だとしている青年団はまだまだ多い。演劇活動に限らず青年団の文化・スポーツ活動は、自己満足に終わってはならない。地域とかかわり、地域文化の創造発展とどうきり結んでゆくかを、つねに考えてゆく必要がある。

演劇はいうまでもなく集団的な創造活動である。集団的に脚本を検討し、一人一人の演劇や役割を集団的に検討する。この集団思考は、青年団活動の基本であり、建まえである。演劇の世界は虚構の世界の生活であり、行動である。しかし、演劇が感動を呼び、人々に受け入れられるのは、その中味が、人々の生活実感にふれ、背後にかくされた真実が共感をよびさますからに他ならない。青年団の演劇活動が地域課題を正面にすえ、なまの生活体験を通し真実の姿を訴えようとするのもそのためであろう。どんな演劇を上演するにしろ、まず、自分たちが、何を訴えたいか、その主題がはっきりしなくてはならない。そして問題意識を明確にし演劇をとりくむことだ。演劇の素材は日常生活にいくらでもある。青年団の演劇活動としては、こうした日常生活を戯曲化し真実の姿をさぐることのほうが好ましい。それは演ずるものが、自からの生活実感をそのまま表現できるからである。

すこしでもよい舞台をつくりあげようとすればするほどより深い脚本の理解がされなくてはならないし、そのために、自然や人間関係を含め、自分の周囲のこまかい観察も必要となり、自分自身の生活をも客観化してみつめなおす必要もうまれてくる。その意味で演劇は、自分自身を客観視し、自己分析する重要な契機を与えるだろう。よい演技をするということは、まねごとをすることではなく、戯曲上の役になりきることである。それは、戯曲上での人物の客観的で説得力のある背景を知らなくてはならない。当然、そのための学習が要求されてくる。演劇はその活動を通して、人間として生きてゆく上での貴重な能力をやしなってゆく。それは「第一に、こころとからだを解放する力を。第二に、積極的に、考え行動する力を、第三に、ゆたかな想像力を」(青年団ガイドブック)活動を通して身につけることができる。

最初にものべたように、演劇活動は、集団による創作活動であり、一人でも欠ければ成り立たない。文字通り、全員が協力し、分担し、集中しなくてはならない。このことは、青年団活動の基本的な活動のあり方であるということができよう。青年団活動の幹部に演劇経験者が多いのも、こうした経験が青年団活動に生かされているかであろう。しかし、演劇活動も青年団活動の一分野であり、重要なことは、演劇活動を通して学びとった成果を青年団活動の全体にひろげていくように工夫していくことである。その点がうまくいくかどうかで、団員全体が支持する演劇活動になるのか、演劇仲間だけが孤立していくことになるかが分かれるといってよい。(以上「青年団強化の手引き」)より

ここに紹介された脚本は、全国青年大会に発表された作品で最優秀を得たものばかりである。しかし、これらの作品は戯曲として、すぐれているということであって演劇活動そのものの評価でないことをつけ加えておきたい。全国の仲間たちが、これらの作品を目安にしながら、創造的な演劇活動を一層発展させていただけるよう期待する。

尚、第二週を発行するにあたり全日本アマチュア演劇協議会、横浜演劇研究所のご協力をいただきました。

一九八五年四月
日本青年団協議会

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